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期待される効果や活用事例も

ナイトタイムエコノミーとは?企業での活用方法を事例と合わせてわかりやすく紹介

2024/1/23

ナイトタイムエコノミーとは? 企業での活用方法を事例と合わせてわかりやすく紹介

ナイトタイムエコノミーとは、夜間に行われる経済活動を指します。夜間に観光客向けのコンテンツを提供することにより、経済効果を高め、地域活性化に寄与することができます。この記事では、ナイトタイムエコノミーから期待される効果や、企業による具体的な活用事例について紹介します。

ナイトタイムエコノミーとは?意味や注目される背景について

ナイトタイムエコノミーとは?意味や注目される背景について

ナイトタイムエコノミーは、その大きな経済効果によって注目を集めています。ナイトタイムエコノミーの概念を理解し、注目されている背景を把握しましょう。

夜間の経済活動の活性化を目指す

ナイトタイムエコノミーとは、夜間(日没から日の出まで)に行われる経済活動のことを指します。これには、夜間開催される観光や娯楽イベントなど、収益を生む活動が含まれます。 日本では、これまで夜は休息の時間とされ、人々が外出して活動することは一般的ではありませんでした。しかし、最近では夜間の経済活動が再評価され、その経済的利益が注目されています。

訪日観光客の増加により注目される

ナイトタイムエコノミーが注目され始めたのは、増加する外国人観光客の影響によるものです。海外からの旅行者は、訪問国の夜間も含めた観光や娯楽を満喫したいと考えています。しかし、日本には夜間のエンターテインメントが十分ではなく、外国人観光客にとっては楽しめる選択肢が限られています。
夜間の経済活動を強化すれば、観光客を引き寄せる効果はさらに増すでしょう。未活用の夜の時間帯を利用することで、新しい市場を開拓する可能性があります。ナイトタイムエコノミーは、コロナ禍で打撃を受けた観光業の回復にも貢献する可能性があるため、多くの関心を集めています。

海外では定着している国が多い

ナイトタイムエコノミーは海外で文化的に根付いており、多くの国々では夜間特有の観光や娯楽市場が既に確立され、顕著な経済効果を生んでいます。
日本はナイトタイムエコノミーの発展において、他国に比べて後れを取っています。政府と企業が協力し、ナイトタイムエコノミーを活性化させるための取り組みが急務です。

ナイトタイムエコノミーの可能性や推進するメリットは?

ナイトタイムエコノミーとは? 企業での活用方法を事例と合わせてわかりやすく紹介

ナイトタイムエコノミーには、さまざまな可能性があります。政府もナイトタイムエコノミーを推進する方針を打ち出しており、地域における取り組みも活発化しています。ナイトタイムエコノミーを推進するメリットを確認しておきましょう。

消費拡大が実現

ナイトタイムエコノミーの推進によって、人々は夜間にも消費を行うようになります。これにより消費が促進され、経済活性化が見込まれるでしょう。 特に、訪日外国人観光客によるインバウンド消費の増加が期待されています。ナイトタイムエコノミーを通じてさらに観光客を増やすことができれば、その経済効果はさらに大きくなると予測されています。

雇用の創出につながる

夜間営業を行う店舗や施設が増加すれば、それに伴って必要な労働力も増えます。これは雇用の創出につながり、求職中の人々にとっては朗報となるでしょう。 新たな職を創出することで、失業率の低減も期待できます。ナイトタイムエコノミーがもたらす社会や経済への影響は、計り知れないものがあります。

新たな文化的魅力の創造

ナイトタイムエコノミーを推進する際には、幅広い層に喜ばれるコンテンツの開発が必須です。これによって、これまで見過ごされていた地域の隠れた魅力を再発見することも可能になるでしょう。
新しい文化的な魅力を創出することができれば、それが観光客の増加につながる効果をもたらすことが期待されます。ナイトタイムエコノミーは、地域の持続可能な発展に肯定的な影響を与えると考えられます。

国内外のナイトタイムエコノミー取り組み事例9選

ナイトタイムエコノミーとは? 企業での活用方法を事例と合わせてわかりやすく紹介

ナイトタイムエコノミーにおける具体的な取り組みについて、イメージを持ちにくい方もいるかもしれません。そこで、この部分ではナイトタイムエコノミーの成功事例をいくつか紹介します。これらの例を参考に、企業での実践可能な点を考えてみるのも良いでしょう。

海外の事例

多くの国々では、ナイトタイムエコノミーを拡大するためにさまざまな制度や施策が導入されています。まずは、海外のナイトタイムエコノミーの取り組み事例を見てみることから始めましょう。

ブロードウェイでの観劇(アメリカ)

アメリカにおけるナイトタイムエコノミーの代表例として挙げられるのが、ニューヨークのブロードウェイにおけるミュージカルです。ブロードウェイは劇場街として有名で、多くの人気ミュージカルが上演されています。 ブロードウェイのミュージカルは多くが19時や20時に開始し、23時以降に終演することも少なくありません。日中の活動だけでなく、夜間にも公演を楽しめるため、充実したナイトライフを体験することができます。

Broadway

夜の森を歩くフォレスタルミナ(カナダ)

フォレスタルミナは、カナダのケベック州にあるゴルジュ・ド・コアティクック公園で行われている夜間の体験プログラムです。イルミネーションで照らされた森を歩くというもので、幻想的な体験ができる人気のイベントとなっています。
フォレスタルミナが実施されるのは、主に20時以降です。ナイトタイムならではの楽しみとなっており、多くの観光客が訪れています。

FORESTA LUMINA

パブ巡りツアー(オーストラリア)

オーストラリアのシドニーでは、「The Rocks Pub Tour」という夜間イベントが行われています。イベントの参加者は老舗のパブ4軒を訪問し、ワインやクラフトビールを1杯ずつ楽しめます。プロのガイドが案内してくれるため、街についても詳しく知ることができるでしょう。

The Rocks Pub Tour

夜景を楽しめるクルーズ船(イギリス)

ロンドンでは、テムズ川沿いを夜間にクルーズ船に乗って周遊できるツアー「Thames Dinner Cruise」が実施されています。豪華な料理を食べながら、ロンドンの夜景とピアノの生演奏を楽しめる魅力的なイベントです。

Thames Dinner Cruise

夜の市長を設置するアムステルダム(オランダ)

オランダのアムステルダムは、行政がナイトライフ産業の支援に力を入れています。ナイトメイヤー(夜の市長)設置も施策の1つです。
ナイトタイムエコノミーを進めるうえでは、夜間ならではの課題もあります。オランダではナイトメイヤーを中心に課題解決に取り組みながら、ナイトタイムエコノミー推進を行っています。

国内の事例

国内でも、ナイトタイムエコノミーに取り組んでいる地域はあります。主に地方でどんなイベントが行われているのかをみてみましょう。

高知城のライトアップ(高知)

日本国内に残る木造の12古天守である高知城では、四季折々にライトアップのイベントが行われていますが、2023年(令和5年)12月からは「NAKED夜まつり」というライトアップイベントが行われています。アートに彩られた高知城を回遊しながら、新たな魅力を体験できるイベントです。

高知城

夜も楽しめる動物園(高知、愛媛)

夜間に動物園を開放する試みは、各地で行われています。2023年には四国でも、高知県ののいち動物公園で「のいちdeナイト」が、愛媛県のとべ動物園で「夜の動物園2023」が開催されました。普段は見られない動物の夜間の生態を観察できる、人気のイベントです。

のいち動物公園

とべ動物園

寺院の夜間特別拝観(京都)

京都では、清水寺や高台寺、伏見稲荷大社、八坂神社など、夜間拝観ができる寺院が多数あります。ライトアップされた寺院を訪れると、昼間とは異なる幻想的な趣を楽しめます。

清水寺

高台寺

伏見稲荷大社

八坂神社

石見神楽の夜神楽(島根)

島根県浜田市には、石見神楽という伝統芸能があります。石見神楽では毎週土曜日に夜間公演(夜神楽)を実施しています。古来から伝わる伝統文化の魅力を満喫できるイベントで、外国人観光客にも人気です。

石見神楽

まとめ

ナイトタイムエコノミーの推進により、新たな市場の創出や、経済全体の活性化につながることが見込まれます。企業においては、夜の時間帯を活用し、収益を生むコンテンツを開発することが期待されているのです。
この動きは、今後も日本での新しい体験提供と地域活性化につながっていくことでしょう。地域の夜のイベントや、旅行先での過ごし方などの参考にしてみてはいかがでしょうか。

著者/森本 由紀

(提供元:Mattrz四国アライアンス

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