TOP 経済 経済ってなに???

経済 経済

Bankers Talk Simply About ヨノナカ

経済ってなに???

2021/3/30

Bankers Talk Simply About ヨノナカ

経済ってなに?

この疑問は、シンプルだからこそ、答えることが難しく、また、子供がよく大人を困らせている聞き方でもあります。
私が学生だった頃、政治思想の最初の試験で

「政治とは何か書きなさい」

という一文だけが印刷してあり、何を書いたらいいか途方に暮れて、適当に5行ぐらい書いて、案の定D評価(再履修)をもらったことは、今でも忘れられない人生の転換点の一つです。政治と経済は、切っても切れない間柄でありますので、また、機会があれば、テーマにしてみたいところですが、まずは経済を。

なんか経済ってとっつきにくい

経済が、なんとなく、小難しかったり、詰まらないもののように感じられてしまうのはなぜでしょうか。
それは、

  1. 経済システムが、非常に大規模かつ複雑だから
  2. ヒトの価値観や感情といった、根源的な衝動から遠ざかってしまっているように見えるから

といった理由が挙げられるのではないかと思います。

買い物をしてみましょう

先日、ホワイトデーに、この冬、チョコにどハマりした妻に贈るべく、先輩に教えて頂いた東京・渋谷のチョコレート屋さんで、ボンボンチョコなどを買いました。
ECサイトは、お店のオリジナルですが、アマゾンのアカウントで支払うことが可能(Amazon Pay)で、クレジットカードで決済し、ゆうパックで配達してもらいました。
チョコレートは、ベネズエラ産のカカオだけを厳選して使用しているそうで、他には、砂糖や乳原料、フレーバーのためのその他の原材料が使われています。
パッケージは、立派な紙で、チョコはフィルムシートで保護されており、云々。

チョコの一生

Bankers Talk Simply About ヨノナカ

このチョコを食べるために、一体、どれだけの人が関わってくださっているのか、もはや数えることは不可能ですが、あえて、単純に考えてみると、消費者である私は、

  1. チョコを買うと心に決め、
  2. チョコレートについて調査・ヒアリングをし、
  3. ECサイトで商品を選択し、
  4. クレジットカードで決済

をしました。

一方で、チョコレートのお店では、このチョコレートを作って販売するために、

  1. 原材料を仕入れて、
  2. 組み合わせ、加工をして、チョコレートとして生産・パッケージしたものを、
  3. ECサイトに陳列し、
  4. 消費者の注文、入金を確認し、
  5. 物流システムに乗せて出荷

をしてくれました。

そして、郵便局では、

  1. お店まで集荷をして、
  2. 送料を受け取り、
  3. トラック等を用いた物流システムに乗せて、
  4. 配達員の方が私の家のチャイムを鳴らす

ということをしてくれましたので、私は受領印を押して、チョコを受け取ることができました。

さらに、この一連のプロセスを達成するためには、スマホや道路等々、様々なインフラが必要です。

経済システム

わたしが、このために費やした時間とお金は、このプロセスを構築するためのそれらと比べれば、ほんの微々たるものです。遥か遠く、15,000km先のベネズエラで採れたカカオを使って、直線距離で600kmを超える東京で、何年も修行したであろうショコラティエによって作られたチョコにより、私は、日ごろの感謝の気持ちを妻に伝えることができましたし、妻も大層、ご満悦で、家庭の円満、地球の平和が保たれました。

このように、現代日本社会では、多くの人が、この壮大かつ複雑なグローバル経済システムに、ごくごく簡単にアクセスできるため、そのシステム自体を理解する必要性を感じることが(滅多に)ありません。知らなくても困らないことを、敢えて知る必要があるとすれば、どんなときでしょうか。

値上げや増税

デフレって、モノの値段が下がることだったはずなのに、牛乳とか、ガソリンの値段は上がる一方。どないなっとんねん。というような場面で、我々は、不思議に思い、なぜなのか、知りたくなります。

毎日毎日、必死で働いて、貰った給料が、やれ年金だ、所得税だと持っていかれるのは、なんでなん。消費税10%とかマジ異次元。というような場面で、我々は、せめてその事情を教えて欲しいと感じます。

お金

私は、妻への感謝の気持ちを込めて、チョコレートを購入しましたが、特にその事情を先方にお伝えしたわけではないので、数字の上では、私の口座からx円が、お店の口座に移転しただけで、おもしろくもなんともありません。
経済活動が、お金という一つのモノサシで測ることが可能となってから、取引されるすべての価値が、数字として表現されるようになりました。
おじいちゃんから最後にもらったお小遣いや、初めてもらったお給料、文化祭で友達と作った焼きそばの売上であっても、数字になった瞬間に、その意味や、人生の物語は失われてしまいます。
ですから、経済がおもしろくなるためには、その数字の意味するところや背景、人間くさい物語について考えてみることも重要です。

経済ってなに?again

これから、一見すると、「難しい」「つまらない」と感じてしまうような経済にまつわるエトセトラについて、なるべく、シンプルに、人間の匂いのするような形で描き直すことができればと考えていますので、ときどき、覗いてみて頂ければ嬉しいです。何本か読んで頂くうちに、なんとなく「経済ってこういうことかな」ということを感じて頂けたならば、それほど素晴らしいことはありません。

シェアこの記事をシェアする

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE