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Bankers Talk Simply About ヨノナカ

経済のイロハの「つ」???

2021/5/17

Bankers 経済のイロハの「つ」???

前回、私は、妻へのホワイトデーのお返しに、気合の入ったチョコレート屋さんでお買い物をして、地球の平和を守り抜いたというエピソードをご紹介しました。(前回の記事はこちら
そのときに、私がチョコを買うプロセス(消費)と、チョコレート屋さんによるチョコづくりのプロセス(生産)とに分けてお話をしました。
この、生産と消費、そして、生産者と消費者がつながること、これが経済のイロハのイ、3つの「つ」です。

つくるーつながるーつかう

ひらがなで書いてみると、より親しみやすさが湧いてきますね。経済と言えば、「お金」というイメージが強いかと思いますが、お金が生まれたのは、経済が生まれたよりもずっと後のことです。

つくる

この時期は、タケノコやタラの芽などの山菜、初ガツオなど、山の幸、海の幸が大変に美味しい季節です。自然の恵みを採り集めることから、「つくる」ことは始まりました。さらに、自然に働きかけることで、意図して恵みを受け取ろうとする農業、林業へと発展し、それらを加工する製造業、つくったモノをよりスムーズに取引するための配送などのサービス業、さらには、シュッとした髪型にしたい、とか感動体験を味わいたい、といった欲求に応えるべく、エンターテイメント産業などが生まれて来ました。

つながる

つながり方には、これまた3つあります。1―1。1―多。多―多。の3つです。このつながりのことを市場と呼びます。市場の重要な機能は、値付け、価格の形成です。生産者と消費者が、個別に交渉することもあれば、生産者が値段を決める場合、消費者が決める場合、さらには、その市場を管理しているだれか(政府など)が決める場合(国鉄時代の切符代などですが、日本では表面的にはかなり少なくなっています)があります。最後のケース以外は、生産量(供給)と消費量(需要)のバランスで、価格が決まって行くのが通常で、そのことを市場の基本的なしくみという意味で、市場メカニズムと呼んでいます。

つかう

これまで、経済発展は、我々の「つかいたい」という欲求が支えてきました。「あんなこといいな、できたらいいな」という人類の夢に、つくる側が応え続けてきたのがその歴史です。白飯を腹いっぱい食べたい、恋人の住む街にもっと速く行きたいといった原始的な欲求に始まって、お掃除ロボットやスマートスピーカーなど、日常のちょっとした欲求を満たしてくれる高性能の機械の登場に至るまで、我々の欲求マップは、どんどんと塗り潰されていっています。

3つの「つ」。からの

つくるーつながるーつかう、という経済の土台・骨格さえ見失わなければ、他の様々な「経済」へと、自ずと広がっていくことが可能です。
一人でつくるよりも、みんなでつくった方がたくさんつくれるので、生産活動は組織化され、企業というものが生まれました。モノとモノとを直接、つなげるよりも、間にお金を挟んだことで、持ち運びがしやすくなり、より遠くのヒトとも簡単に取引ができるようになりました。思い通りにつかうためには、収入が必要ですので、働く必要があります。今の時代は、どこかの企業・組織ではたらくことが多いですので、消費者/つかう人は、買い物の反対側では、雇用という形で、企業/つくる人とつながっているというわけです。

Bankers 経済のイロハの「つ」???

これまでの経済発展

経済の組み立て、部品がわかってきたところで、その変化についても見てみましょう。
われわれホモ・サピエンスの歴史は、20万年前にまで遡るようですが、経済の発展は、ここ数百年が目覚ましく、19世紀(1800年代)にようやく10億人を突破した世界の人口は、2020年には、約78億人となりました。200年前の約8倍の人間が、相変わらず1つの地球で暮らしていると言われても、スケールが大きすぎてなんだかよくわかりませんが、このデータ、人口だけを切り取って見てみても、つくる人が増え、その分、つかう人もまた増えて、少なくとも、経済が量的には大変な拡大を遂げてきたことがわかります。家族や、同僚が8倍に増えた状態を想像してみてください。

これからの経済発展

つくって、つかって、つながって、日進月歩で発展してきたこのヨノナカで、あることが問題視されています。それは、有限な地球で、無限の経済発展ということが可能なのか、ということです。たくさんつくって、たくさんつかうことがヨシとされてきた経済から、必ずしも多ければいいというものではないのだよ・・・という経済が「発展」するというのは、どういうことで、我々はどこに向かっていくのでしょうか。普段の生活の中でも、持続可能性、サステナビリティという言葉を聞いたり、見かけたりする機会が増えてきたように思います。次回は、この「持続可能な発展」ということについて、もう少し、掘り下げてみたいと思います。

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