マネー
カネールくんのハピマネの種
Vol.1 お金って何だろう?
2023/10/20
登場人物:カネールくん、イサム(小学1年生)、妹のアイ(4歳)
イサムは、妹のアイと一緒に犬の散歩をしている。
アイ
のどが渇いた~。ジュース飲みたい


イサム
お金を持っていないから買えないよ
アイ
お金持ってるよ


イサム
それはおもちゃのお金だから、
お店では使えないんだよ
アイ
どうしてこのお金じゃダメなの?
お金って何?


イサム
う―――ん。困ったな。お金って何だろう?
どうして物が買えるんだろう...
BOM!

イサム
あれ?空から何か落ちて来た!
カネール
イテテテ...。お金のことでお困りカネール?


イサム
君は誰?
カネール
「ハッピーブルーバードランドから来た
幸せの種を届ける青い鳥、カネールだネール」


イサム
幸せの種?
カネール
君たちの将来に役立つお金の知識だネール。
お金のことなら何でも答えるネール


イサム
カネールくん、どうしてお金で物が買えるの?
カネール
お金はモノと交換できる『価値』があるんだネール。
大昔はモノとモノを交換していたんだけど、自分が持っているミカンと相手が持っているカツオを交換してほしいと思っても、相手がミカンではなくリンゴがほしいと思っていたら交換できないネー。
だけど、相手にお金を渡せば、その人は、そのお金でリンゴを買えばいいので、便利なのネー


イサム
でも、アイが持ってるおもちゃのお金はモノと交換できない...。
それはわかるんだけど、本物のお金とおもちゃのお金は何が違うのかなぁ
カネール
それはズバリ『信用』だネール。お金を受け取った人は、そのお金が他の人にも使えるということを「信じている」のネー。
今のヨノナカでは、国が、お金の『価値』を保証しているのネー。だから、みんながそれを『信用』していて、自由に交換ができるんだネール


イサム
そうなんだ。
おばあちゃんの家で、江戸時代のお金を見たことがあるんだけど、今のお金とは違う形だった
カネール
お金は時代によって大きさや形が違うんだネール。
大昔は、貝や石がお金として使われていたんだネール


イサム
ええ?!
カネール
石といってもそこらへんにある石じゃない。
遠くの島から切り出し、船で運んできた石で、貝も珍しいきれいな貝が使われていたんだネー。
みんなが貴重なものと認めて信用したから、そこに価値が生まれたんだネール


イサム
そうか...。
大きなカツオなら貝3つ分、小さなイワシなら貝1つ分っていうふうに、交換の基準を決めていたのかな?
カネール
そうだネール。モノの価値をはかるモノサシ、それも、お金の大切な役割なのネー。
しかも、カツオがたくさん獲れた時は、そのまま保存しておくと腐ってしまうけれど、魚が欲しい人を探して貝と交換すれば、その貝をしまっておいて、別の日に欲しいモノと交換できる。
貝のお金なら、価値を貯めておくことができるんだネー


イサム
そうか!お金って便利だね
カネール
そうだネール。その後、貝よりももっと丈夫で、キラキラした金や銀などの金属がお金として使われるようになったのネー。
でも、今は国が価値を保証してるから、キラキラじゃなくてもよくなって、軽くて持ち歩きやすい紙のお金が生まれて、ますます便利になったのネー。
日本のお金が今の "円"になったのは、150年ぐらい前の明治時代からなのネー。


イサム
日本のお金は、外国に行くと使えないの?
カネール
お金は国や地域によって違うので、その国のお金に両替して使うんだネール


イサム
へー、そうなんだ。そういえば、外国のお金には外国人の顔が書いてあるね。テレビで見たことある
カネール
そうだネー。 目に見えるお金のほかに、カードやスマートフォンで支払いができるしくみもあるネール


イサム
パパが時々、コンビニでスマホでピッてやってる!
カネール
見えないお金のことを『キャッシュレス』っていうんだネール。
キャッシュレスは便利だけど、いくら持っているか、いくら使ったかがわかりにくいので気をつけてほしいネール


イサム
そうなんだね。
アイちゃん、おもちゃのお金は『信用』がないから使えないんだよ。
のどが渇いたね。
さぁ、早く帰って、ママが作ってくれた冷たい麦茶を飲もう!
カネールくん、いろいろ教えてくれてありがとう!
カネール
どういたしまして!みんながお金のことを理解してくれると、カネールの羽が少しずつ伸びて飛べるようになるんだネール!


イサム
そうか。今はまだ飛べないんだね。
これからも頑張ってね!バイバイ!
カネール
頑張るネール!

まだまだ修行は始まったばかり。飛べる日を夢見て、カネールの修行は続く‥‥。