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宇宙界隈ちょっと気になる話

Vol.10 実は知らない月のこと

2026/10/30

宇宙界隈ちょっと気になる話 Vol.10 実は知らない月のこと

私たちは、広い宇宙の中に存在する小さくて美しい「地球」という星に住んでいます。
「宇宙に行ったことがある」「生きているうちに宇宙に行くぞ」という地球人が少しずつ増えてきた今、はるか彼方の星々に暮らす宇宙人たちは、「あの青く光る星に行ってみたい」と思っているかもしれません。あるいは、すでに地球に来たことがある宇宙からの訪問者もいるかも...。
身近になりつつある宇宙について、「気になること」を探ります。

中秋の名月、スーパームーン、三日月など、夜空に輝く月を見上げるたびに、その美しさに感動します。中国から伝わった伝承「月で餅つきをするうさぎ」や、日本の昔話「かぐや姫」など、私たちの暮らしにとても身近な天体です。いつも、「そこにあって当たり前」のお月さま。その実態に迫ってみましょう!

■月は近いの?遠いの?

月は惑星ではなく衛星です。惑星とは太陽のまわりを回る大きな天体で、衛星は惑星のまわりを回る天体のこと。月は地球に最も近い天体であり、地球のまわりをぐるぐる回っている衛星なのです。

最も近いといっても、月までの距離は約38万㎞もあり、地球1周(約4万㎞)の9.6倍。1秒間に30万㎞進む光でさえ1.3秒かかり、人間が宇宙船で行くには約4日かかります。

月は、自転しながら地球のまわりを約27.3日かけて1周(公転)しています。自転の速度は地球よりもかなりゆっくりで、公転とほぼ同じ約27.3日。そのため、月はいつも同じ面を地球に向けていて、地球に住む人々は「月の裏側」を見たことがないのです。

■月面はどうなっているの?

月は地球に一番近い天体ですが、緑豊かな地球とはまったく異なる世界が広がっています。空気もなく、雨や風もなく、地表はクレーターだらけで、岩石を細かく砕いた砂のようなレゴリスに覆われています。

目を凝らして月を見ると、表面に白とグレーの模様が見えますね?グレーの部分は平らで「海」と呼ばれている場所です。昔々、巨大な天体などの衝突によって大きなくぼみができ、その後、溶岩が流れ出してくぼみを埋め、冷え固まった広い平原が「海」になりました。一方、白い部分は「高地」と呼ばれる文字通り標高が高い場所で、「海」よりも古い地形です。

月面にたくさんある「クレーター」は、隕石などの天体が衝突してきたものです。地球にも隕石が落ちてくることはありますが、その多くは大気との摩擦で地表に達する前に燃え尽きてしまいます。衝突して地形が変わったとしても、風雨や川の流れなど自然現象によって地形が変化するため、月のように一度できたクレーターが長期間残ることはありません。自然の影響を受けていない月面は、今も太陽系の古い歴史を見ることができる場所でもあります。

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■月の中はどうなっているの?

月の直径は約3,475㎞で、地球の約1/4の大きさ。外側から「地殻」「マントル」「核」という構造になっていて、地球とよく似ています。内部がまだ完全に冷え固まっておらず、発熱しながら活動しており「月震」と呼ばれる地震に似た揺れも観測されています。

月の岩石や砂などを分析すると、地球の岩石とよく似た特徴があり、地球と月の深い関わりを示しています。

月が誕生したのは、今から約45億年も前のこと。太陽系ができたばかりの頃、誕生して間もない地球に火星ほどの大きさの「ティア」と呼ばれる天体が衝突し、この大きな衝撃によって地球やティアを作っていた大量の物質が宇宙空間に散乱し、それが地球の周りを回りながら集まって月になったと考えられていました。

しかし最新の研究により、衝突からわずか5時間以内に、大きな塊の状態で月が形成された可能性が出てきました。衝突した天体の強度や温度が関係していると考えられ、今後のさらなる解明が期待されています。

■どんな環境なの?

月には大気がなく、風も吹かず、雲もできず、雨も降りません。太陽の当たる昼間は100℃を超え、夜はマイナス100℃まで下がるほど温度差が激しく、音もありません。人類は、宇宙服を着ないと生きられない環境です。

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宇宙空間に重量はありませんが、月には地球の1/6ほどの重力があります。月面では体の重さも1/6になり、約120㎏の宇宙服を着た宇宙飛行士たちも難なく歩くことができます。

月には川も湖もなく、地球のように豊富な水はありません。しかし、月の南極や北極の深いクレーターの底には、1年を通して太陽光がまったく当たらず非常に低い温度が保たれている「永久影(えいきゅうかげ)」があり、そこに氷が存在していることがわかっています。それを活用することができれば、宇宙飛行士の飲料水が確保でき、電気分解によってロケットの燃料となる水素と水を作ることができます。地球から水を運ぶのはとてもコストがかかるため、月に水があれば「宇宙のオアシス」として活用できますね。

■「潮の満ち引き」は月の影響?!

月の重力は地球に影響を与えており、その代表が「潮の満ち引き」です。地球上では、月に近いほど月の重力が強く働くため、月に近い側の海水が月に引っ張られて海面が盛り上がります。その反対側でも地球が公転する遠心力によって同じように海水が盛り上がり、地球上の水の分布がラグビーボールのような形になります。横方向に膨らんだ部分の水位が高くなり、縦方向に潰れた部分が低くなって、地球が自転することで満潮と干潮が1日に2回ずつ起こるのです。

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■宇宙探査の拠点へ

その月に、1969年にアポロ11号が着陸し、初めて人類が月面に降り立ちました。そして現在、月に宇宙探査の拠点となる基地を建設する計画が進められています。空気がなく、水も簡単に手に入らず、宇宙からの放射線を防ぐ大気もなく、昼夜の温度差が激しい月。隕石が飛んで来てぶつかる危険もあります。

さらに、月の表面を覆うレゴリスは、静電気によって宇宙服や機械装置に付着しやすい性質があり、故障の原因になるためとても厄介です。

そして、重力が地球の1/6しかない環境で長期間過ごした時の、人間の骨や筋肉、体の機能にどのような影響があるかもわかっていません。

それでも、月に長期間滞在して探査活動を行い、さらにその先の宇宙の謎を解明しようと多くの人々が尽力しています。数年先、数十年先には、「転勤で月に行く」という人たちが現れるかもしれませんね。

今年10月20日には、種子島宇宙センターから火星衛星探査機MMXを搭載したH3ロケットが打ち上げられ、新たなプロジェクトが始まりました。次回は、JAXAが主導する世界初のプロジェクト、火星の衛星「フォボス」からのサンプルリターン計画についてお伝えします。

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