生成AIには何ができる？種類やそれぞれの仕組み、活用方法をわかりやすく紹介

2024/4/2

さまざまな業界で近年急速に活躍の場を広げているのが、テキスト、画像、動画、音声などを生み出す生成AIです。本記事では、そもそも生成AIとは何なのか、どのような種類があり、何ができるのかを解説します。

生成AIとは？

生成AIには何ができる？種類やそれぞれの仕組み、活用方法をわかりやすく紹介

まずは生成AIに何ができるのか、どのような特徴があるのかを見てみましょう。さらに、従来のAIである識別系AIとの違いも解説します。

さまざまな成果物を生み出す人工知能のこと

生成AIは、人工知能（AI）の一種で、新しいデータや情報を生成することを目的とする技術や手法の総称で、テキスト、画像、音声など与えられた情報から学習し、それに基づいて新しいデータを生成することができます。
テキスト、画像、動画、音声など、これまで機械（コンピューター）が作ることが難しかったものも、生成AIを活用すればスムーズに作り出すことが可能です。

識別系AIとの違い

識別系AIは、事前に大量のデータから学習させることで、正誤の識別をすることができます。たとえば、事前に登録しておいた人物かどうかを見分けるセキュリティチェックシステムや、工場における規格チェックカメラなどがこれに当たります。

一方で生成AIは、新しいデータや情報を創出、生成することができます。たとえば、1枚の写真に写る人物の表情を、異なる複数の画像から本人を特定し画像処理によって全員笑顔に変換することもできるのです。

生成AIの4つの種類

生成AIには何ができる？種類やそれぞれの仕組み、活用方法をわかりやすく紹介

ここからは、生成AIの種類と特徴をみていきましょう。生成AIは、代表的なものとしてテキスト生成AI、画像生成AI、動画生成AI、音声生成AIの4種類あります。生成AI全体については、利用にあたって著作権やセキュリティなど乗り越えなければならない課題はあるものの、今後進化していくことが予想されます。

テキスト生成AI

テキスト生成AIは、大量のテキストデータを学習して、新しい文章を自動で作成する技術です。このAIは、与えられたテーマやキーワードに基づき、自然で読みやすく、内容的にも適切な文章を生成します。また、こちらの出すプロンプト（命令）に対して返答し「対話」ができるようになってきています。

ブログ記事、レビューから専門的な文書やレポートまで、幅広い用途に対応可能です。文脈に合わせた言語のパターンを予測し、文章を出力する能力により、コンテンツ制作の効率化や質の向上に貢献しています。すでにテキスト生成AIは生成AIの中でも多くの人に使用されていますが、今後さらに利用者が増加すると考えられます。

画像生成AI

画像生成AIは、写真やイラストなどの大量の画像データを学習して、新しい画像を作り出す技術です。テキストや音声の指示を受けて、それに合った画像を自動で生成できます。

このAIは、ウェブデザインや写真の画像処理、医療診断支援など、多岐にわたる専門分野で活用されています。学習したデータを基に、指定された内容に適した画像を創造する能力を持ち、クリエイティブな作業や分析タスクに大きな効率化を図ることができます。

動画生成AI

動画生成AIは、膨大な動画データを学習し、指定されたテーマや条件に合わせて新しい動画を自動で作成する技術です。このAIを使用することで、撮影や編集に必要な時間、手間、コストを大幅に削減できます。

さらに、リアルで自然な動画コンテンツの生成が可能になり、企業やクリエイターが迅速にクリエイティブなプロジェクトを実現できるようになるといわれています。動画生成AIは、マーケティング、教育、エンターテイメントなど、多様な分野での応用が期待されています。

音声生成AI

音声生成AIは、テキスト情報を自然な人間の声に変換する先進技術です。このAIは、読み上げ、アドバイス提供、対話など、人間の話し方に近い音声を生成することができます。従来のテキスト読み上げ技術と比べ、音声生成AIは話し言葉のニュアンス、イントネーション、感情をよりリアルに再現することが可能です。

この技術の進化により、オーディオブックの読み上げ、ボイスアシスタントの応答、教育コンテンツの制作など、様々な業界での利用が見込まれています。

職種別の生成AI活用方法

生成AIには何ができる？種類やそれぞれの仕組み、活用方法をわかりやすく紹介

各職種での効率化とイノベーションを実現するため、生成AIの活用方法を事務、経理、営業、SEといった職種別に解説します。AIの力によって日々の業務を効率化し創造性を高め、それぞれの職種でどのように変革をもたらすかを見ていきましょう。

事務職

事務職における生成AIの活用は、文書作成、スケジュール管理、メールの返信文章の作成など、日常的な業務を大幅に効率化します。AIがテンプレートに基づきさまざまな報告書を自動生成し、日程調整やメールの返信を即時に行うことが可能になります。

これにより、事務スタッフは煩雑な作業やルーチンワークに費していた時間が減り、AIが作成した書類内容の確認やAIでは対応が難しいフレキシブルな対応に注力できるようになります。生成AIの導入は、事務業務の質の向上とプロセスのスピードアップを実現します。

経理職

経理職における生成AIの活用は、請求書の処理、経費報告の作成、財務報告書の自動生成など、精度と効率を要する業務に貢献してくれます。AIは複雑な数値データを迅速に分析し、誤りの可能性を低減させながら正確な文書を作成することができます。

また、経理プロセスの自動化により、経理スタッフは財務分析や戦略立案などの高付加価値業務に集中できるようになるでしょう。生成AIの導入により、経理業務のスピードと品質が同時に向上します。

営業職

営業職における生成AIの活用は、顧客対応の自動化、パーソナライズされた販売資料の作成、効果的な営業戦略の策定に貢献します。AIは顧客の過去の購買履歴や興味関心を分析し、一人ひとりに最適化された提案書やメールを生成することができます。

これにより、営業担当者はより多くの時間を顧客との関係構築や新規顧客の開拓に割り当てることができます。生成AIを活用することで、営業プロセスの効率化と顧客満足度の向上が期待できます。

SE（システムエンジニア）職

SE（システムエンジニア）職における生成AIの活用は、コーディング作業の支援、バグレポートの自動生成、ドキュメントの自動化などへの貢献が期待できます。AIはプログラミング言語のパターンを理解し、開発者が書くべきコードの提案や、既存コードのバグを特定するレポートを生成したり、技術文書やユーザーマニュアルの作成を自動化したりと、開発プロセスを加速させることができるでしょう。

これにより、SEはより創造的で価値の高い開発業務に集中できるようになります。生成AIの導入は、ソフトウェア開発の効率化と品質向上に寄与します。