経済
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リスキリングとは？メリットや注意点、使える助成金もあわせて紹介
2024/9/18
デジタル領域などで近年注目されているのが、リスキリングです。欧米ではすでに浸透しつつありますが、日本でもリスキリングへの取り組みが始まっています。 本記事では、リスキリングとは何かという基本から、リスキリングのメリットや注意点、さらに助成金などについて解説します。
リスキリングとは
リスキリングは近年話題になっている言葉ですが、実際はどのようなものかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。まずはリスキリングの意味と、よく似ている生涯学習との違いを解説します。
必要なスキルを習得すること
リスキリングとは、キャリアにおいて新たなスキルや知識を学ぶことです。特にデジタル領域など、技術革新や業界の変化によって求められるスキルが変わるなか、新しい役割に対応できるようになるために行われる教育やトレーニングをリスキリングと言うことが多いです。
リスキリングは、現職での職場における価値を高める手段だけでなくキャリアの転換にも役立つとされており、個人の成長をサポートするために注目されています。
リスキリングで学ぶ必要がある領域
リスキリングで学ぶ必要がある領域は、急速に変化する技術や産業のニーズに対応するために多岐にわたります。
例えば、人工知能やデータ分析などのデジタルスキル、リーダーシップやプロジェクト管理などのマネジメントスキル、UIデザインやコンテンツ制作などのクリエイティブなスキルなどです。
これらのスキルは人々が多様に変化する業務の要求に適応し、長期的にキャリアを維持・発展させるために欠かせません。
リスキリングと生涯学習の違い
リスキリングとよく混同される言葉として、「生涯学習」が挙げられます。リスキリングと生涯学習は、どちらも学習することを目的としていますが、焦点や目的が異なります。
リスキリングは仕事面においてキャリアや業務に直結するスキル習得が主な目的であるのに対し、生涯学習はより豊かで充実した人生を過ごすために生涯を通して行うあらゆる学習活動のことで、家庭学習や文化活動、スポーツ活動、ボランティア学習など一生涯に行うさまざまな学習活動のことを指します。リスキリングは比較的短期間で特定のスキルを習得することを目指しますが、生涯学習は人生全体を通じて行われる学びです。
また、スキル習得に関連する言葉として「リカレント教育」があります。リカレント教育とは、学校教育からいったん離れたあとも必要なタイミングで大学などの教育機関や社会人向けの講座等で仕事やキャリアに関する能力を磨き続けることです。
リスキリングのメリットや注意点
リスキリングにはさまざまなメリットがありますが、一方で注意しなければならないこともあります。それぞれのポイントをチェックしてみましょう。
メリット
リスキリングのメリットは、キャリアの安定や向上を図りやすくなる点にあります。変化が激しい業界に対応するには、新しいスキルを身につけることが大切です。リスキリングに積極的な姿勢は企業内での評価も高まり、昇進や報酬アップにもつながることもあります。
また、新たな知識やスキルを習得することにより、仕事の幅が広がったり転職における市場価値が上がることに繋がります。
注意点
リスキリングには、学習のための時間と費用がかかります。とくにフルタイムで働きながら学ぶ場合、仕事と学習のバランスを取ることが難しくなる可能性があります。
また、新しいスキルを学んでもそのスキルを実際に使う機会がなければ、スキルが定着しないかもしれません。そのため、実践で活用できるスキルを選ぶことが重要です。
習得が難しいスキルや急速に変化する技術を学ぶ場合、学ぶこと自体が心理的負担になるのではないかということも考慮して取り組みましょう。
リスキリングでおすすめの資格
リスキリングで取得するのにおすすめの資格を、国家資格と民間資格にわけて紹介します。自分の仕事や業種に役立つ資格を取得し、さらなるキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。
国家資格
リスキリングでおすすめの国家資格はキャリアや業界によって異なりますが、幅広い分野で役立つ資格を考えてみましょう。
多くの業界で必要なITスキルを学ぶためには、基本情報技術者試験などがおすすめです。会計や経理といった多くの企業で求められるスキルを証明するために、簿記検定の合格を目指してもいいでしょう。
不動産業界で活躍できる宅地建物取引士、金融・保険業界で役立つファイナンシャルプランナーなどもおすすめです。
民間資格
民間資格は、国家資格ほど社会的信用性を望めませんが、特殊な知識やスキルを求められる分野では有用です。
英語力を証明するTOEICで高得点を取る、webデザイナーとしてのスキルを証明できるウェブデザイン技能検定、デジタル業界で活躍するために必要な知識を証明できるJDLA G検定などがあります。
ビジネス全般で活用できるビジネス実務法務検定、プロジェクトマネジメント・プロフェッショナルなどもおすすめです。
リスキリングで使える助成金や給付金
日本ではリスキリングを広めたいという考えから、助成金や給付金が用意されています。企業向け、個人向けのそれぞれの制度や注意点を見てみましょう。
企業向け補助金・助成金
企業が従業員の育成などに利用できる補助金、助成金をご紹介します。
高知市中小企業リスキリング支援事業
高知市中小企業リスキリング支援事業は、中小企業がDXを進めるために必要なスキルや知識を身につけることを目的とした高知市の取り組みです。高知市内の中小企業とその社員が対象で、研修やセミナーの受講費用を市が一部補助します。
必要に応じて専門家を企業に派遣し、リスキリングの計画策定や実施をサポートしてくれます。オンライン学習プログラムの提供もあり、上手に活用すれば効率的に従業員のスキル向上を目指せるでしょう。
地域産業リスキリング実践支援事業費補助金
地域産業リスキリング実践支援事業費補助金は、愛媛県内の企業がDXを進めるために必要な専門知識や技能の習得を支援する愛媛県の取り組みです。愛媛県内にある本社や支店、事業所などが対象となっています。
なお、ITパスポート試験に関する補助金は試験に合格した場合のみ適用となるため、注意が必要です。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業費補助金は、企業や雇用している社員のリスキリングを支援する補助金です。主にキャリアアップを目的としており、研修や教育プログラムの受講費用、資格取得にかかる費用、教材費や機材費などの一部を補助してくれます。
申請の際は、書類を作成して所定の申請先に提出しましょう。補助金の上限額や条件は、具体的な事業や申請先の機関によって異なります。
個人向け給付金
リスキリングに関する、個人向けの給付金についても紹介します。
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度は、個人のスキル・キャリアアップのために必要な教育訓練の費用を国が一部支援する制度です。一定の雇用保険加入期間があるなどの条件を満たした対象者が支援を受けられます。
教育訓練の内容は幅広く、建築から美容、事務、ITスキルなど多岐にわたります。ハローワークで必要な申請、手続きを行う必要があるため、対象者は必要書類を用意してハローワークに相談しましょう。
母子（父子）家庭自立支援給付金
母子（父子）家庭自立支援給付金は、母子（父子）家庭の親を支援する制度です。児童扶養手当を受け取っているなどの条件を満たすことで、支援を受けられます。就職に役立つ資格の取得や教育訓練に対し、学んだ後に支給されます。
区市役所または福祉事務所から講座の指定を受ける必要があるため、受講前に問い合わせるようにしましょう。
母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について
まとめ
リスキリングは、今後の社内でのさらなる活躍や転職に役立つ知識、スキルを学ぶことです。どのような職種、業種でも役立つポータブルスキルの需要が高まる昨今、不足する経験やスキルを柔軟に学び直すことが重要になってきています。
リスキリングを支援してくれる補助金や助成金もあるため、かしこく活用して自身のキャリアアップに役立ててみてはいかがでしょうか。
2級FP技能士
広告代理店勤務を経て、フリーライターとして6年以上活動。自身の投資経験をきっかけにFP資格を取得。投資・金融・不動産・ビジネス関連の記事を多数執筆。現在はフリーランスの働き方・生き方に関する情報も発信中。
（提供元：Mattrz
）
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