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ねんきん定期便の見方を解説!ゆとりある老後のために知っておきたい資産形成術

2022/6/6

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ねんきん定期便を受け取っても、「見方が良くわからない」「中身をきちんと確認していない」という方は多いのではないでしょうか。ねんきん定期便は、自身の年金記録を確認したり、将来受給できる年金の見込み額を確認したりする際に必要なハガキです。ここでは、ねんきん定期便の見方や各項目についてご紹介します。

目次

■ねんきん定期便とは?
 ・ねんきん定期便の見方
■ねんきん定期便についてよくある質問
 ・ねんきん定期便はいつ届く?
 ・ねんきん定期便の納付状況欄の「未納」は払うべき?
 ・ねんきん定期便の郵送を止めるには?
 ・ねんきん定期便の再発行はできる?
 ・ねんきん定期便が届かなかった場合の対処法は?
■公的年金額の増やし方
 ・年金の繰り下げ受給
 ・再雇用・定年延長で60歳以降も厚生年金に加入する
 ・任意加入制度を活用
 ・付加年金を納付する
■公的年金と併せて私的年金も活用するのも手
■自助努力による老後資産形成

ねんきん定期便とは?

ねんきん定期便とは、日本年金機構から年に1度、誕生日月に届くハガキや封書です。国民年金や厚生年金の加入履歴、これまでの累計納付額、将来受け取れる年金の見込み金額など、自身の年金記録が記載されています。ねんきん定期便の形式や内容は、受け取る方の年齢によって異なります。

節目の年齢として35歳、45歳、59歳を迎える年には封書で届きます。その内容は、年金を納めた全期間の年金記録と、35歳・45歳の年には、これまでの加入実績に応じた年金額、59歳の年には、受け取れる年金の見込額が記載されています。

節目の年以外は、ハガキで届き、直近1年間の年金記録が記載されています。50歳未満の方には加入実績に応じた年金額、50歳以上の方には受け取れる年金見込み額が確認できる内容になっています。

ねんきん定期便の見方

ねんきん定期便の見方や、各項目の概要をご紹介します。

これまでの保険料納付額

項目名どおり、これまで納付してきた保険料の金額を確認できます。

これまでの年金加入期間

国民年金や厚生年金など、年金のこれまでの加入期間を確認できます。老齢年金を受給するためには、保険料が免除された期間・保険料を納めた期間を合わせて10年以上の年月が必要となります。また、年金を納めている期間が短ければ年金受給額に影響が及んでしまいます。「これまでの年金加入期間」の欄で、未納期間が発生していないか、発生していればどの程度の期間発生していたのかを確認しておくと良いでしょう。

なお、未納期間が発生している場合は、追納制度を活用することで年金を納付が可能です。追納制度では、最高で過去10年までさかのぼって年金を納付できます。追納月数分は、老齢基礎年金へ「保険料を納めた月」として反映されます。

将来の年金見込み額(年額)

将来受給できる年金の見込み額を確認できます。50歳未満の方の場合は、これまでの加入期間から算出した年金見込み額を確認できます。この時点では将来の納付分までは加算されていないため、見込み年金額が少なくても心配はいりません。ハガキの表にある「これまでの加入実績に応じた年金額(去年)」「これまでの加入実績に応じた年金額(今年)」項目も同様です。

50歳以上の方の場合は、「現在の収入水準を年金受給年齢まで維持する」という仮定のもと、将来の年金見込み額が算出されています。実際の受給金額に近い金額を確認できるといえるでしょう。

最新の月別状況

ハガキの表側には、「最新の月別状況です」という項目があります。この項目は、直近の年金の加入記録が記載されている欄です。具体的には、給与・賞与水準をベースに決められる「標準報酬額」「標準賞与額」などの記録が確認できます。なお、年金の区分は会社員の方の場合「厚年」となっています。

お客様のアクセスキー

右下に記載されている「お客様のアクセスキー」とは、「ねんきんネット」のユーザーID取得に必要となるナンバーです。ねんきんネットとは、Web上から年金記録を確認できるサービスのことを指します。

ねんきんネットは、ねんきん定期便を待たずに、好きなタイミングで各記録を確認できるのが魅力です。また、ねんきんネットではシミュレーターを使って将来の年金額を試算できるようになっています。今後の収入や職業、雇用形態(会社員・フリーランス・自営業等)さまざまな条件別に、見込み年金額を試算することが可能です。「今の収入や職業が変わったら、年金額はどれぐらい変わるのか」という比較をしたいときにも活用すると良いでしょう。

ねんきん定期便についてよくある質問

「ねんきん定期便はいつ届くのか」「未納金分はどう支払えばいい?」など、ねんきん定期便について、よくある質問とその回答を以下でご紹介します。

ねんきん定期便はいつ届く?

ねんきん定期便は、毎年の誕生月に日本年金機構から届きます。ただし、1日生まれの方に関しては、誕生月の前月に届くようになっています。

年金定期便の納付状況欄の「未納」は払うべき?

年金は追納(後払い)が可能です。追納することで、将来の老齢年金の受給額を増やすことができます。追納の手続きは、最寄りの年金事務所で申し込むことで成立します。申請書類に必要事項を記入したうえで申し込むことで、納付書を受け取れます。なお、ねんきんネットで追納申込書を作成・印刷も可能です。

ねんきん定期便の郵送を止めるには?

ねんきんネットには、「郵送意向登録機能」の設定を変更する機能が搭載されています。ここから郵送停止の意向を登録すれば、ねんきん定期便の郵送を停止できます。

ねんきん定期便の再発行はできる?

「ハガキや封書を紛失してしまった・汚損してしまった」という場合は、再発行が可能です。「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」に問い合わせをすると、最新の年金記録に基づいたねんきん定期便を再発行してもらえます。ちなみに、再発行分のねんきん定期便は2ヶ月程度で手元へ届きます。

ねんきん定期便が届かなかった場合の対処法は?

誕生月が来てもねんきん定期便が届かなかった場合は、住所や氏名などの登録情報が間違っている可能性があります。とくに、引っ越しによって住所を変更していたり、結婚によって姓が変わっていたりすると、ねんきん定期便が届かなくなるため注意が必要です。登録情報に変更があった場合は、最寄りの年金事務所、または「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」まで問い合わせましょう。

公的年金額の増やし方

ゆとりのある老後のためにも、公的年金は少しでも増やしておきたいものです。ここからは、公的年金額を増やすためのポイントを解説いたします。

年金の繰り下げ受給

老齢基礎年金・老齢厚生年金は、66~75歳までの間に申請することで年金の受給を遅らせることができます。これを繰り下げ受給と呼び、手続きした翌月から受け取る年金が0.7%ずつ1ヶ月ごとに増加します。最大で、84%の増額となることが繰り下げ受給のポイントです。「少しでも年金額を増やしたい」「元気なうちは働き続けたい」とお考えの方は、繰り下げ受給を検討されても良いかもしれません。ただし、繰り下げ受給を行わなかった場合に比べて、トータルの年金受給額が多くなるのは、86歳11ヶ月とかなり高齢になってからになります。この点も鑑みて、繰り下げ受給はよく考えてみることが必要です。

再雇用・定年延長で60歳以降も厚生年金に加入する

公的年金は、長く働いた分だけ確実に増やせます。「高年齢者雇用安定法」によって、定年が60歳から65歳まで引き上げられたニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。くわえて、2021年4月からはこの「高年齢者雇用安定法」の改正により、70歳までの定年引き上げや70歳までの継続雇用の努力義務などの要素も盛り込まれています。よって、「60歳以降も働いて厚生年金に加入し続け、年金を増やす」というプランを立てられるのです。

たとえば、会社員や公務員の場合、国民共通の年金である「老齢基礎年金」と、職場で加入する「老齢厚生年金」の2種類に加入していることになります。老齢厚生年金は、「年金の2階建部分」とも呼ばれています。長く働けば働くほど厚生年金への加入期間も延長され、結果的に老齢厚生年金を増やすことができるのです。また、厚生年金に加入し続けると、「経過的加算額」も支給されます。これにより、過去に未納金があった場合にも穴埋めが可能です。

任意加入制度を活用

学生時代の免除期間や、やむを得ない事情によって年金への「未加入」「未納」「免除」の期間があった方もいるでしょう。こうした期間があると、年金を満額で受け取ることができません。そこで「任意加入制度」へ加入することも検討すると良いでしょう。「任意加入制度」とは、60歳から65歳までの5年間に「国民年金保険料」を納めると、老齢基礎年金を増やせる仕組みのことです。これによって未納金を補填でき、年金を満額へ近づけることができます。任意加入制度は、以下の条件にすべて当てはまる方が対象です。

  • 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
  • 20歳以上60歳未満までの保険料納付月が40年(480月)未満の方
  • 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方
  • 厚生年金保険・共済組合等に加入していない方
  • 日本国籍を有しない方で在留資格が医療滞在や観光・保養等を目的とする長期滞在ではない方

なお、日本国内に住所を有しているのであれば、外国に居住する20~65歳未満の方も加入可能です。

国民年金保険料は、令和3年度(2021年度)時点で月額16,601円。クレジットカード、または口座振替での納付となります。

付加年金を納付する

付加年金とは、第1号被保険者・任意加入被保険者が対象となる年金制度の1つです。毎月納付する国民年金保険料に400円を上乗せして支払うことで、払い込んだ月数に応じてその半額が老齢基礎年金へと加算される仕組みになっています。加入期間は最大で40年間(20~60歳まで)で、受給開始のタイミングは老齢基礎年金と同様に65歳からとなっています。付加年金は毎月定額で納める年金であるため、増額や減額など物価スライドの影響を受けません。なお、付加年金の納付は、実際に申し込んだ月からスタートします。

付加年金の加入条件

以下の条件に当てはまる方は、付加年金を納付できます。

  • 国民年金第1号被保険者(20~60歳以上の自営業者・学生など)
  • 65歳未満の任意加入被保険者

なお、以下に当てはまる方は付加年金へ加入できません。

  • 第2号被保険者(公務員・会社員など)
  • 国民年金基金へ加入している方
  • 第2号被保険者の扶養内にある第3号被保険者
  • 国民年金保険料の猶予または免除を受けている方

付加年金の試算

20~60歳まで付加年金に加入した場合を想定して、年金増額分を試算しました。

  • 払い込む保険料
    400円×480ヶ月(12ヶ月×40年)=192,000円
  • 将来の年金に毎年加算される金額
    200円×納付月数480ヶ月(12ヶ月×40年)=年金に毎年加算されるのは『96,000円』

この場合、将来的な老齢基礎年金には毎年96,000円が上乗せされることがわかります。試算結果を見ると、払い込む保険料も高額です。しかし、付加年金による老齢基礎年金の上乗せは、年金を受給し続ける限り継続されます。したがって、払い込んだ保険料も2年で採算がとれる計算となっています。

公的年金と併せて私的年金も活用するのも手

「公的年金だけでは不安」という場合は、私的年金を併せて積み立てるのも手です。私的年金とは、個人または企業が任意で加入できる年金制度のことです。会社が掛け金を積み立てて、従業員が運用して満期にお金を受け取る「企業型確定拠出年金」や、自分自身で掛け金を積み立てて運用し、60歳以降にお金を受け取れる「個人型確定拠出年金(iDeCo)」が私的年金に該当します。

また、私的年金は「確定拠出型」「確定給付型」の2種類に大別されます。確定拠出型は、積み立てた掛け金額と運用収益の合算額をもとにして給付額が決まる年金のことです。対する確定給付型は、あらかじめ給付額・給付内容が決定している年金のことを指します。

四国銀行では、個人型確定拠出年金(iDeCo)のサービスも提供中です。月5,000円の掛け金から長期運用でき、資産形成や節税効果も期待できます。詳細は、以下のページからご確認いただけます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)|四国銀行

自助努力による老後資産形成

「通常の公的年金や退職金だけでは心許ない」と考える方も少なくないはずです。そんな時こそ、厚生年金を増やしたり、任意加入制度や付加年金制度へ加入したり、私的年金を活用したりといった自助努力をすることが重要となります。

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