マネー
カネールくんのハピマネの種
Vol.43 お金の単位ってなに?
2025/12/26
カネールくんのハピマネの種 ~プロローグ~ カネールくんって?

登場人物:カネールくん、ヒナノ(小学3年生)、ママ、パパ
ヒナノとパパがテレビで時代劇を見ている。
ヒナノ
パパ、時代劇の人たちって、一文とか一両とか見たことのないお金を使ってるよね?あれって昔のお金?

パパ
江戸時代のお金の単位だね。『円』は明治時代になってから生まれたお金の単位だよ。1円より小さい単位の『銭』とか『厘』とかもあったんだよ
ヒナノ
聞いたことある。この前のドラマで、あんぱん1個10銭で高いって言われてた!
ママ
前におばあちゃんからもらった古いお金の中に、1銭硬貨があったんじゃない?
ヒナノ
あった。おばあちゃんのお父さんが子どもの頃に使ってたお金だって言ってたね
パパ
ひいおじいちゃんの頃にはまだ現役だったんだね。
確か10厘で1銭、100銭で1円だったと思うよ
ヒナノ
そのお金、もう使えないんだよね?
パパ
太平洋戦争が終わってから物価がどんどん上がって、『銭』や『厘』の出番がなくなって、それで『円』だけになったらしいよ
ママ
でも、今日の為替や今日の株価は、〇〇円〇銭って発表されるよね?
パパ
そうだね。
株式や為替市場では常に価格が変動するだろ?その値動きはとても細かくて、お金が1円単位だと、お金の価値を正確に表せないんだ。
株や為替市場は何億、何十億円と取引されるから、わずかな価格差が大きな価格差になるんだよ。為替や株の価格変動を正確に知るためには、円よりも小さい0.01円に当たる銭が必要なんだ。
長さを表す時にもm(メートル)、㎝(センチメートル)、㎜(ミリメートル)を使うだろう?円がm、銭が㎜だと考えるとわかりやすいね。
ヒナノ
そうなんだ。アメリカのお金は『ドル』だけど、『セント(cent)』っていうのもあるよね?
パパ
あるある。
100セント=1ドルだから、1セント=1/100ドル。1円=100銭で、1銭=1/100円。同じ1/100で、『銭』の言葉は『セント』に由来してるっていう説もあるよ
ママがスマートフォンで検索をしながら、
ママ
『セント』はラテン語の「centum(ケントゥム)」が語源なんだって。100を意味する言葉で、いろんな国で基本通貨の1/100を表す単位として使われているみたいよ
ヒナノ
へー。『セント』と『銭』は親戚なんだね(笑)。世界のお金の単位のことも知りたいな!
BOM!

カネール
何かお金のことで知りたいことがあるのかネール?
ヒナノ
あれ?あなたはだれ?
カネール
幸せの種を届ける青い鳥、カネールだネール
ヒナノ
幸せの種ってなに?
カネール
きみたちが大人になった時に役立つ、お金の知識だネール
ヒナノ
お金のことならなんでもわかるのかな?
お金の単位について教えてください。
今、日本のお金の単位は『円』なんだけど、いつから、どうして『円』なったのか。外国のお金の単位のことも知りたいのカネール
アメリカは『ドル』、ヨーロッパは『ユーロ』、中国は『元』など、いろいろなお金の単位があるネール。
まずは日本の『円』の歴史について話すネール
『円』が始まったのは明治維新以降
江戸時代には金貨・銀貨・銅貨があり、『両・分・朱』というお金の単位が使われていました。金の小判1枚が1両、1両=4分(銀貨)、1分=4朱(銀貨)で、銅貨は4,000枚で1両でした。しかし、他にも藩が発行するお金もあり、東日本と西日本でお金の価値が違っていて、江戸時代の通貨はとても複雑でした。
明治維新以降、外交も活発になって全国で通貨を統一する必要があり、1871(明治4)年に『新貨条例』という法律が定められ、『円・銭・厘』が使われるようになりました。
1945(昭和20)年に太平洋戦争が終わった後、物価が爆発的に上がり、モノの値段が上昇。昭和15年に15銭だったうどんが約35倍の5円になり、1円未満でモノが買えなくなりました。1953(昭和28)年に1円未満のお金の発行が停止され、『円』だけが使われるようになりました。
1円未満の通貨は使用できなくなりましたが、『銭は円の1/100、厘は銭の1/10の価値である』と定められていて、現在も利息や外国為替などの計算には1円未満の単位として使われています。

ヒナノ
そうなんだね。じゃあ、ひいばあちゃんやひいじいちゃんたちが子どもの頃は、『銭』や『厘』を使って買い物してたかもしれないね
カネール
そうだネール
ヒナノ
カネールくん、外国のお金の単位も教えて
カネール
世界の国にはアメリカは『ドル』、カナダは『カナダドル』、オーストラリアは『オーストラリアドル』、韓国は『ウォン』、イギリスは『ポンド』、ヨーロッパは『ユーロ』、中国は『元』、インドは『ルピー』、メキシコは『ペソ』など、その国のお金の単位があって、世界共通の通貨記号もあるネー

ヒナノ
おもしろいね!日本の『円』の記号はないの?
カネール
Yに二本線が入った『¥』だネール
ヒナノ
見たことある!なんでYなんだろう?
カネール
日本の通貨である『円』は、「エン」ではなく「YEN」と表記されるんだネール。
これは諸説あるけれど、「EN」だと外国の人の発音が「エン」よりも「イン」に近くなってしまうからという説や、「EN」は外国語で別の意味を持ち、混同を避けるためという説、昔の中国のお金の単位「圓(=YUAN)」を真似て「YEN」になったという説もあるネール
ヒナノ
へー。どうして二本線が入ってるの?
カネール
外国人と取引をしている時に、どこの国のお金かを記録するために印をつけたんだネー。
ドルの記号に二本線が入っているのを真似して、Yに二本線を入れたといわれているネール。最近は1本で描かれることもあり、どちらでもよいとされているネー
ヒナノ
今までそんなこと考えたこともなかったな。おもしろいね!
カネール
注意しないといけないのが、「¥」は中国の『元』も同じ通貨記号だということ。
『元』は昔の『圓』の文字が変化しただけで、通貨の表記は「YUAN」、通貨記号は「¥」なんだネー。インターネットで買い物する時に「¥1,000」書かれていて、1,000円だと思って購入したら1,000元だったという話もあるんだネー 。1元は1円のおおよそ20倍の価値があるから、1,000元は約20,000円っていうことになるネール
ヒナノ
それは大変。『円』と『元』が同じ『¥』だって、知らなかった‥‥。
パパやママにも教えてあげよう!お金の単位って、おもしろいね。将来、外国に行った時にも役に立ちそう!教えてくれてありがとう、カネールくん
カネール
お金に興味を持ってくれてうれしいネール!また会おうネー!
ヒナノに手を振り、ハッピーブルーバードランドへと帰っていくカネール。まだまだ修行は続く‥‥。

【あわせて読みたい四銀ルームコラム】
▼最新の四銀ルーム記事をアプリから!▼
ダウンロードはこちら
![]() |
![]() |









