マネー
カネールくんのハピマネの種
Vol.15 硬貨にも工夫がいっぱい!
2024/6/28
カネールくんのハピマネの種 ~プロローグ~ カネールくんって?
登場人物:カネールくん、ママ、ツグミちゃん(小学3年生)
ママ
ツグミ、今月のお小遣いよ。はい、500円
ツグミ
100円玉じゃなくて500円玉がいいなー
ママ
どうして?
ツグミ
100円玉って、低学年のイメージ。500円玉だと、お姉さんになった気分なんだよね。
私も早くお札でお小遣いをもらえるようになりたいな
ママ
あら。ママが小さい頃は、500円札があったのよ
ツグミ
え?ホント?いーなー
ママ
(スマートフォンで調べて)1994年に発行停止になっているわね。探せばどこかにあるかもしれない
ツグミ
今も使えるの?
ママ
うん。今も使えるって書いてある。後で探してみるわね
ツグミ
うん!この500円とかえっこしてね♪
でも、どうして紙のお金と金属のお金があるんだろう...?
BOM!
カネール
こんにちは。お金のことで何か知りたいことがあるのかネール?
ツグミ
わぁ!あなたはだれ?
カネール
幸せの種を届ける青い鳥、カネールだネール
ツグミ
幸せの種ってなぁに?
カネール
君たちの将来に役立つお金の知識だネール。お金のことなら何でも答えるネール
ツグミ
お金ってどうして紙のお金と金属のお金があるのかなって考えていたの
カネール
なるほどなるほど。
まず、紙のお金のことを紙幣、金属のお金のことを硬貨っていうんだネール。
紙幣は軽くて持ち運びやすいから便利だけど、人の手から手に渡っていくうちに汚れたり破れたりしてしまうネー。硬貨は丈夫だけど、たくさんのお金を持ち歩くには、かさばるし重くて大変だネー。だから、組み合わせて使うことでお金のやり取りをスムーズにしているんだネール
ツグミ
確かに。硬貨ばかりだと重いし、数えるのも大変だもんね。
硬貨は1円、5円、10円、50円、100円、500円があるけど、この絵柄や形は誰が考えるの?
カネール
日本の硬貨を作っているのは、造幣局というところだネール。
硬貨は、絵柄などのデザインはもちろん、大きさ、重さ、素材も異なるんだ。絵や文字がくっきりと刻印できるような素材が使われているんだネール。
デザインは職員の人が考えることもあるし、一般公募といって、みんなから図案を募集することもあるんだネー。それぞれの硬貨を見てみよう
硬貨の特徴
◎1円(アルミニウム貨幣)
昭和30年に発行された、現在使われているお金の中で一番古い硬貨。
表に「若木」、裏に「1」が描かれたデザインは、一般公募で選ばれました。
直径2㎝、重さは1gです。
◎5円(黄銅貨幣)
表には稲穂、水、歯車が描かれています。これは、当時の日本の主な産業(農業、水産業、工業)を表しています。裏面にある二葉は、第二次世界大戦が終わり、新しい民主国家となった日本を象徴しています。
直径2.2㎝、重さは3.75gです。
◎10円(青銅貨幣)
表に描かれているのは、世界文化遺産に登録されている、京都府宇治市にある平等院鳳凰堂です。裏には10の文字と、一年中緑色の葉をつける常緑樹「常盤木(ときわぎ)」の枝がリボンで結ばれています。
直径2.35㎝、重さは4.5gです。
◎50円(白銅貨幣)
昭和30年にニッケルでできた50円が誕生し、公募により表は菊の図柄、裏は50の文字が描かれた硬貨となりました。当時、穴は開いておらず、直径2.5㎝の大きな硬貨でした。
その後100円硬貨が発行され、色や大きさが似ていて間違いやすいことから公募によって同じ菊の花をモチーフにデザインが変更され、白銅製の一回り小さな穴あき硬貨となりました。
直径2.1㎝、重さは4gです。
◎100円(白銅貨幣)
銀製だった100円硬貨は、銀の値段が高くなったことから昭和42年に白銅貨幣に変更され、同時に50円硬貨も白銅貨幣となりました。表の図柄は鳳凰から稲穂に変わり、現在は桜が描かれています。
直径2.26㎝、重さは4.8gです。
◎500円(バイカラー・クラッド貨幣)
1982年に登場した貨幣。表には桐が、裏には500の文字とその上部に竹、左右に橘が描かれています。偽造防止の目的のため、図柄はそのままに、2000年にニッケル黄銅貨幣に、2021年にバイカラー・クラッド貨幣に変わりました。
直径2.65㎝、重さは7.1gです。
カネール
硬貨は、絵が描かれている方が表、発行年が書かれている方が裏、と決まっているんだネール。
紙幣には発行年はないから、これも硬貨の特徴だネール
ツグミ
本当だ。ピカピカの硬貨をもらって、今年のだとちょっとうれしくなる!500円玉は他の硬貨に比べるとまだ歴史が短いんだね。
ママが子どもの頃は500円札があったんだって。どうして硬貨に変わったんだろう?
カネール
自動販売機が普及して、自動販売機で売っている商品の値段も高くなってきたから、硬貨があれば便利だと考えられたんだネー。ただ、自動販売機でニセモノの500円玉が使われる事件が多くなり、偽造防止の技術を盛り込んだ硬貨に2度も変更されているんだネール
ツグミ
ええ!そうなの?どんな工夫がされているの?
新500円玉の偽造防止技術
◎バイカラー・クラッド
1枚の硬貨に3種類の金属が使われている、特殊な構造。異なる種類の金属板をサンドイッチ状に挟み、それをさらに別の金属でできたリングの中にはめ込んでいます。
◎鮮明に見える微細文字
最先端の技術を使い、外周部に肉眼でもはっきりと見えるように「JAPAN」の文字を刻印しています。
◎世界初の異形斜めギザ
硬貨の側面にあるギザは、加工が難しい「斜めギザ」ですが、さらに一部を異なる形状にすることで、さらに偽造されにくくしています。
◎見る角度によって文字が見え隠れ
500の文字の中に、見る角度によって異なる文字が浮き上がって見える潜像加工を行っています。
カネール
その他にも、ものすごく細い点や線で模様を入れたり、ニセモノの500円玉を見抜くポイントはいろいろあるんだネー。日本の技術はすごいんだネール!
ツグミ
誕生以来2回変更したってことは、世の中に3種類の500円玉があるってことだね?
パパは500円玉貯金をしているの。ちょっと見せてもらおう!
カネール
発行年号も合わせてチェックするとおもしろいネール
ツグミ
ママも500円札を探してくれるって言ってたから、コレクションしちゃおう!
カネール
夏休みの自由研究にもぴったりだネール
ツグミ
そうだね!いろいろ教えてくれてありがとう、カネールくん
カネール
お金も興味を持って調べると、いろいろとおもしろいことがわかるネール。頑張ってネー!
ツグミに手を振り、カネールはハッピーブルーバードランドへと帰っていく。まだまだカネールの修行は続く...。
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