TCFD提言への対応

ガバナンス

 2022年4月、頭取を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、気候変動への対応を含むサステナビリティ全般に関する取組施策の評価や、取り巻く環境変化に対する方向性等について審議し、取締役会に報告、監督を受ける体制を構築しています。

戦略

 当行では、サステナビリティ方針において「環境保全への貢献」を掲げ、気候変動対策をはじめとする環境保全への取組みを重要な経営課題と位置付けており、気候変動が当行グループの事業活動・財務内容等に影響を及ぼすリスクと機会の把握を行いました。
 なお、当行が認識する主なリスクと機会に関する評価の時間軸として、「短期(5年未満)」「中期(15年程度)」「長期(30年程度)」の期間を用いています。

当行が認識する主なリスクと機会

リスク

シナリオ分析

 当行では、当行の財務状況における気候変動の影響を具体的に把握するため、移行リスクおよび物理的リスクについて一定のシナリオを用いて分析を行いました。いずれの分析においても、当行財務への影響は限定的であると評価しました。

〈移行リスク〉
 移行リスクについては、分析対象として温室効果ガス排出量が比較的高いエネルギー、造船・海運、および金属・鉱業セクターを選択しました。分析にあたっては、NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)のシナリオを用いて、2050年までの当行の与信費用の増加額を試算しました。

〈物理的リスク〉
 物理的リスクについては、気候変動に起因する洪水のリスクの影響を分析しました。分析にあたっては、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のSSP5-8.5シナリオ(4℃シナリオ)等を用いて、2050年までの当行の与信費用の増加額および当行の固定資産の毀損額を試算しました。

リスクシナリオ

機会

 現在、世界的に脱炭素化が求められており、企業活動においてもサプライチェーン全体での取組みが不可欠となっています。このような状況の中、取引先企業から寄せられる脱炭素化への対応要請に適切に応えることができない場合、ビジネスパートナーとしての信頼を失い、サプライチェーンから除外されるリスクが生じる可能性があります。
 当行では、お客さまにCO₂排出量削減への取組みの重要性を理解していただくため、省エネ診断サービスのご紹介や脱炭素スタートパッケージなど、さまざまな活動を推進しています。
 こうした事業活動を通じて、気候変動への対応や脱炭素社会への移行に向け、地域やお取引先のニーズをより深く理解し支援を行うことで、ビジネス機会の創出や気候変動リスクの低減に取り組んでいきます。
 なお、当行グループは環境保全や地域経済・地域社会に貢献するため、投融資方針を定め、環境や生物多様性の保全に向けた事業や脱炭素社会の実現に向けた事業などを積極的に支援する事業として位置付けています。

投融資方針の詳細はこちらをご覧ください。

与信残高における炭素関連資産の割合

 2026年3月末の当行貸出金等に占める炭素関連資産※の割合は38.7%です。

※TCFD 提言における開示対象セクターである「エネルギー( 再生可能発電事業を除く)」「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産物」向けエクスポージャー。 

与信残高と貸出金割合

リスク管理

 当行では、気候変動に起因する移行リスクや物理的リスクは、当行の事業運営や戦略、財務計画に大きな影響を与える重要なリスクであると認識し、シナリオ分析等により当該リスクを識別・評価しています。今後も、シナリオ分析の高度化を図りながら、「信用リスク」「オペレーショナル・リスク」等を含めた統合的リスク管理の枠組みのなかで適切に管理する態勢を整備していきます。

指標と目標

サステナブルファイナンスの推進

累計実行目標:5,000億円以上
対象期間:2023年4月1日から2030年12月31日まで
2026年3月末実績:2,678億円

CO2排出量の削減(Scope1、Scope2)

【削減目標】
  2030年度のCO2排出量を2013年度比50%削減
  2050年度のカーボンニュートラル(Scope1、Scope2)

【2025年度実績】
  2013年度比60.1%削減

排出量推移

Scope3の算定

脱炭素社会の実現に向けて、当行の事業活動により排出するCO2(Scope1、2)に加えて、サプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)を計測しました。

カテゴリ1~7

scope3

カテゴリ15

 金融機関において、Scope3カテゴリ15(投融資先のCO2排出量)は、気候変動に関するリスクと機会を定量的に把握するうえで重要な指標であると認識しています。当行では、PCAFスタンダード※1に加盟するとともに、PCAFの定める基準に基づいた排出量の算定に取り組んでいます。2025年度は「事業所融資」「上場企業の社債」に加え、「非上場企業の社債」を算定対象に追加するなどの高度化に努めました。引き続き、算定の精緻化および算定範囲の拡大を図っていきます。

※1 PCAF(Pertnership for Carbon Accounting Financials)は、金融機関が投融資のGHG排出量を計測・開示するための基準を定めている国際的なイニシアティブです。当行は2026年5月に正式加盟しました。
※2 財務データが取得できない等、算定に必要なデータの集計ができない対象先を除いています(カバー率 96.6%)
※3 今後、算定基準・業種分類・排出原単位の変更などにより、算定結果が大きく変動する可能性があります

 

排出量

〈データクオリティスコア〉
 PCAFでは、排出量算定の品質を評価するために5段階のスコアが設定されています。当行の 2025年度の融資残高加重平均データクオリティスコアはScope1・2で「3.66」、Scope3では「3.72」となりました。引き続き排出量データの収集などにより、スコア改善に取り組んでいきます。

データクオリティスコア